2017年12月27日

現在考A【樹木から教えられたこと:新しい船に関する現代の神話】

切り倒された大樹は、大規模にも中規模にも小規模にも、むこう10年はいかない程度の未来に関する資料集のように機能し、海際に立っていた。

現代の神話

旧時代の構造体が「幻想」として虚実をとり混ぜて練りあげてきた「見かけ上の名誉、名声、栄光、功績、成功、権威」などについて。
これらのものは、この数年の間に次々その実態を露呈させ、倒壊してゆく。
「暴かれたもの」の中には、未だ古い構造体の残存エネルギーによって辛うじて立っているものもあるが、それもこの数年で倒れ、流される。
もともと幻であった名声や功績は、幻らしくあとかたもなく消える。そして未来に何をも残さず終わることとなる。
怒濤といってよいスピードで訪れるそれらの現象を、私たちはこれからおおいに目撃する。

「古い構造体」が見せる幻想への執着を捨てられない人々は、重い衣を脱ぐことが出来ないばかりか、さらに重ねて衣を着、そのうえ重い荷物まで担ごうとする。
「溜め込んだ荷物によってしか救われない」「持っている荷の重さで価値が決まる」という幻想から目を覚まさないためだ。
持ち物が重いほど動きが遅くなることに気づく人と、そうではない人に分かれてゆく。

そして、「古い価値」を燃料にして動く「古い構造体」の船は、重い衣をまとった動きの遅い人々を、つぎつぎと飲み込んでゆく。
ひととき、多くを飲みこんだ「古い構造体」の船は、得体が知れないほど巨大な姿となり、権勢を誇るかのように見えるだろう。
しかし、ふくれるだけふくれた「古い構造体」の船は、やがてその自重のために海へと沈むこととなる。

「新しい価値」で動く船は、重い衣や重い荷物を捨て去った人々が乗る船である。
それは軽く速く、空を疾駆する船となる。
「古い価値」で動く船は、「新しい価値」で動く船をも飲みこもうと必死で追うが、重い船が、すみやかに空へのぼる軽い船に追いつくことは決してない。

ひとびとを「新しい価値」で動く船に案内すべく、真実の光の仕事に携わるものたちがいる。
そのものたちは、大樹が土中にめぐらした根と、その間を行き来する菌糸のネットワークによって、強固に繋がりはじめている。
地下にて育つ光たちは、互いを助け、歌を鳴き交わすように情報を交換しあい、やがて大地に無数の光の柱を立てるため、今という時を生きている。

元来、信じるべきは「自己」という高感度のナビゲーションシステムのみであった。
自己の内側にある光の中にこそ真実がある。

私たちは、光を目撃するためにこの地上に降りたことを、今やはっきりと思い出そうとしている。

posted by 草子 at 00:00| 表現、その他についての考察