2015年04月22日

千葉聡さん「ことばの冒険者たち」にて一首掲載

歌人、千葉聡さんの現代短歌ロードの連載「ことばの冒険者たち」にて
歌集『春戦争』より一首を引いてくださっています。
http://www.shintanka.com/256

千葉聡さんについては、エッセイ歌集『今日の放課後、短歌部へ!』刊行の折に、短歌誌「かばん」の12月号に評論「李徴は虎であることをやめる」を書きました。
また、このほど、現代歌人シリーズより千葉聡さんの歌集『海、悲歌、夏の雫など』が新しく刊行されています。
 
 
タグ:短歌 評論
posted by 草子 at 20:05| 短歌、詩

2015年04月19日

歌集『春戦争』百首選、電子書籍刊行

陣崎草子の第一歌集『春戦争』の百首選版が
電子書籍にて刊行されました。



書肆侃侃房さんより刊行の陣崎草子第一歌集『春戦争』の
自選百首の電子書籍が刊行されました。

どうぞよろしくお願いいたします。
 
posted by 草子 at 00:00| 短歌、詩

2015年03月24日

一首掲載

短歌研究4月号「てのひらの歌」特集
山崎聡子さんが陣崎草子の短歌を一首引いてくださっています。
記事内では山崎聡子さんの新作三首と共に、太田ユリさん、大西民子さん、陣崎の短歌を引用してエッセイを書いてくださっています。
ぜひお読みいただけますと幸いです。

 
posted by 草子 at 03:45| 短歌、詩

2015年03月23日

谷川電話作品評寄稿・かばん新人特集号Vol.6

「かばん新人特集号vol.6」が発行されました。
私は谷川電話作品に評を寄せています。

sinjin06.jpg

谷川電話さんは、2014年度の角川短歌賞の受賞者でもあります。評の中では受賞作の「うみべのキャンバス」についても少しだけ触れていますので、ぜひ谷川さんの受賞作の方も合わせて読んでみていただければと思います。
評の中では才能のある青年に対して、「私自身の生き方の問い」でしかないかのような愚直な疑問をぶつけています。このような事が可能であることも、あるいはちょっと乱暴な問いかけをしてみたいとつい考えるのも、谷川電話さんご自身の力量という土台があればこそと思います。
また、評の中で、私は氏の作品を相当に「私性」の側に引きつけて読んでいます。短歌の私性についてさまざまに議論もされている中で、どっぷり私性に浸かって読むというその姿勢自体が是か否かという問題もあると思いますが、私が読み解いてみたかったのは、角川短歌賞や新人特集号において谷川電話作品に描かれている「今という時代の若者と社会の関係」についてであったと思います。
作品内の主人公を「ある傾向の考え方を持つ人物」と捉えているという点では、ひょっとしたら私は、谷川作品をかなり小説的な読み方をしているともいえるのかもしれません。どうやら、谷川電話さんが描いた二本の作品(受賞作と新人号掲載作)の「主人公」の生き方考え方の反照が、私自身の生き方考え方を浮き彫りにし、再確認を迫るところがあるために、非常に気になるらしいのです。

常識が憎くてたまらない夜に切手に塗ったオレンジジュース

上記は谷川さんの角川短歌賞受賞作「うみべのキャンパス」からの一首。
常識を打ち破りたい、それに負けて社会に埋没したくないという青年の思いがよく表れた青春性を感じさせる歌です。水や唾液ではなくオレンジジュースを塗るという小さな非常識。その反抗に、希望と怨念を託しているのでしょう。オレンジジュースという爽やかながら甘く粘性のある液体と、切手の「何処かに何かを届けるためのもの」という機能が、未来の未知性や不穏を暗示するようです。そしてまた、オレンジジュースのごとき「甘ったるさ」こそが青春なのだと訴えてくるようでもあります。
私はこういった歌に見られる「ある傾向」を持った谷川作品の中の主人公に対して、「わかる、わかるよ」と頷きながらも、ついつい「でも」と考え、そしてこう思ってしまうのです。

「常識に埋没する必要なんて、そもそもいったい何処にあったのだろう?」と。

「常識」なんてものが目に入らないくらいに「抜けていく魂」が、私は決定的に好きです。そういう魂の姿、そうやって生きた表現者たちに対する強い信仰と憧れを、私は持っています。
だからこそ、常識を突き抜ける魂への憧れをにじませる谷川作品の主人公の思いは、ひりひりと迫るほど分かります。でも同時に「なぜ自らの人生の全部を使って“本当に抜けよう”としないのか」という疑問に、自分自身が全身をつらぬかれてしまうのです。

「“抜けていく人々”への信仰と憧れ自体が、自分自身なのだ」
という事を、改めて強烈に感じさせられた。そういうじりじりした青春の焦燥を突きつけてくれたという点において、谷川電話作品は「青春時代」を送る多くの人に読んで欲しい作品だなと思います。今という世代と、今という年齢特有の「揺れ」と「怒り」と「ダメさ」「諦められない思い」がよく描かれているからこそ、私はこれだけ物思いさせられたに違いありません。
人生の分水嶺ってさまざまなポイントにありますから。
そこで「お前はどちらを選ぶのか」を問いかけてくれる作品であると思います。

「本当に抜けるために生きる」という選択は、実はいつでも誰にでも取れるはずで、この世界には未知の可能性が無数に存在しています。
「可能性」を「常識」で覆い、可視の領域から遠ざけさせているのはいったい何者なのか?
それは「社会」なのか?
それとも「そのように考える私やあなた自身」なのか?
社会が共同の幻想として共有を求めてくる「常識」の皮膜をめくり、正体を暴こうとし、そのように念じて未知のものを摑みだし具現化させることが「表現」の本領であるし、可能性そのものであると信じています。
その信仰や憧れを私は捨てることができないし、そのように生きたいという夢を見続けています。
 
最後に、画家、パウル・クレーの言葉を記したいと思います。
クレーは「表現」を通して未知の可能性を探るという「実験」に自らの人生の時間を使い続けた人であり、またその行為について、直感と霊性の冴えた理論を残した人でもあります。

この世の中で、私は十分には理解されることはない。
なぜなら、私は死者か、あるいはまだ生まれ来ぬ胎児とともにいるからだ。
世間の人よりは創造の根源の近くにいるが、まだまだ満足できるほどではない。


----パウル・クレーの日記より、墓石に刻まれた言葉----


 かばん新人特集号Vol.6詳細
タグ:短歌 評論
posted by 草子 at 02:56| 短歌、詩

2014年12月15日

歌評掲載『今日の放課後、短歌部へ!』千葉聡・著

短歌誌「かばん」の12月号に
千葉聡さんの第四歌集『今日の放課後、短歌部へ!』
の歌論「李徴は虎であることをやめる」を寄稿しました。



近く原稿をなんらかの形でアップしたいなと思いつつ。
「かばん」2014年12月号をお持ちの方は、ぜひお読みいただけますと幸いです。
posted by 草子 at 00:00| 短歌、詩

2014年10月21日

「短歌研究」11月号、特集「新進気鋭の歌人たち」

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短歌研究社さんの詳細ページはこちら

「短歌研究」の11月号、特集「新進気鋭の歌人たち」に取りあげていただき、
短歌作品「右脳への愛」10首と、短歌との出会いについてのエッセイを寄稿しました。
ぜひ、お読みいただけますと幸いです。

本誌は他にも「短歌の〈わたくし〉を考える」の特集など、
読み応えずしりの号となっているようです。
しかし私は現在画業で山ごもり中なので、まだ手に取ることができていません。
読むのが楽しみです。
 
posted by 草子 at 19:47| 短歌、詩

2014年08月10日

掲載『俳句・川柳・短歌の練習帖』

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『俳句・川柳・短歌の練習帖』(土屋書店・刊)
坊城 俊樹(俳句)やすみ りえ(川柳)東 直子(短歌) /監修

上記の本の中で、東直子さんがご執筆の短歌のページにて
陣崎草子の短歌を掲載いただきました。

せっかく穴埋め式の練習問題にしていただいたので、その形でご紹介したいと思います。
なんとも嬉しいことに「言葉のセンスを磨こう!」というコーナーに引用していただいています。
わっ、言葉のセンスですって!
引用歌は以下です。

めちゃくちゃに積まれた廃車のため祈るつぎは(   )に生まれておいで

さて、( )の中に入る語句はなんだと思いますか?
正解を知りたい方は、ぜひ本書をお読みくださいね。
あるいは、いろいろな語を入れて想像をふくらませ、楽しんでみてください。
ちなみに、クイズの中で選択肢として記されているのはこんな語句です。
(宇宙人、孔雀、銀河、心臓、ホリデー、微生物、人魚、縄文人、人間、太陽、さようなら、数字)
どうでしょう? あれこれ入れかえてみると、なんだか可笑しくなってきませんか?
(ちなみにこれらの語句は、他の短歌作品からの引用です。単語だけを見て「あ、あの歌!」とわかるものがあるでしょうか? 穴埋め問題にされると、それぞれの語句がいかに意外性のある使われ方をしているかが、よくわかります)

本書の短歌練習帖、ひょっとしたら東直子さんは、くすくすと楽しみながら作られたんじゃないか、と思われてくるようなユニークな練習問題がいっぱいです。
(実際にはクイズが浮かばなくて〆切りがたいへんで……なんてこともあるかもしれませんが・笑)

例えば、「どれが短歌? 短歌をみやぶれ!」のコーナーでは、こんな出題。

祖母の一周忌。スズメ、強風のため今朝は庭に姿を見せず。  望月裕二郎
さかみちを全速力でかけおりてうちについたら幕府をひらく  同


上記は同じ作者による作品ですが、この二首に対して、「どちらが短歌? 短歌を見破れ!」とたずねるというのは、なかなか興味深い問いのように思います。
望月裕二郎さんは、昨年、第一歌集「あそこ」を上梓された歌人さんですが、かなり斬新な歌を詠まれる方で、「え? こういう短歌もありなの?」という領域への開拓意識の強い方です。
なのでこのクイズ、正解を聞いても、ちょっと驚きや不思議な感触が残るかもしれません。

一筋縄ではいかない言葉のひとつらなりを味わい、新しい衝撃や面白さを見つけることも、短歌の楽しみのひとつであり、言葉の世界の深さ広さを探究する、ひとつの手段だと思います。
現代美術が新しい価値感や美意識への扉を人々の前に押し開いてみせるように、短歌も三十一文字という道具を使って、人間が発明した言葉の文化(文明ともいうべきでしょうか)の可能性、限界点の突破口を探りつづけているのですね。

本書では、伝統的な短歌の美しさや楽しさ、新しい短歌の刺激的な可能性を、実際の作歌練習を通して、短歌の最前線を歩いている東直子さんが手引きくださいます。
ぜひ手にとってみてください。


posted by 草子 at 09:00| 短歌、詩

2014年08月01日

朝日新聞:短歌連作「あるきだす言葉たち」掲載

少し前になりますが、朝日新聞の7月29日の夕刊
「あるきだす言葉たち」のコーナーに
短歌連作「あおあお萌える」十首を掲載いただきました。
ウェブ版でもご覧いただくことができます。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11272680.html

さすが新聞! という感じで、いろいろな方から
「新聞に短歌がのってたよ!?」とご連絡いただきました。
見つけてくださり、ありがとうございます。

本コーナーでは担当の記者さまにもとてもお世話になりました。
ありがとうございました。
 
posted by 草子 at 00:00| 短歌、詩

2014年06月27日

陣崎草子第一歌集『春戦争』特集・歌誌「かばん」

短歌誌「かばん」にて、
陣崎草子第一歌集『春戦争』の特集を組んでいただきました。

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◇『春戦争』特集内容
・「編む力」        小野明 -----ゲスト批評
・「乱暴な世界の愛し方」  山崎聡子 -----ゲスト批評
・「叛旗の光」       穂村弘 -----かばん会員批評
・「青い鳥を待つ少女」   田中ましろ -----かばん会員批評
・「不思議ちゃんか」    陣崎草子 -----著者エッセイ

特集チーフ/陣崎草子、サブ・チーフ/飯田有子

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お忙しい中、寄稿くださった皆さまに、深く感謝申し上げます。
また、飯田有子さんにはサブチーフとしてご助力をいただきました。
かばん編集部のみなさまにも、たくさんお助けいただきました。
本当にありがとうございました。

「かばん」は一般書店では、以下の店舗で取り扱いがあります。
東京都/東京堂書店、京都/三月書房、大阪/used books このはな文庫

今年の「かばん」は歌人の東直子さんが装丁絵を担当されていて、6月号はチャーミングなペンギンと涼しい紫陽花の絵です。
(今、手元に冊子がないので、過去の撮影物から失礼します)
https://twitter.com/jinsakisoko/status/480687385882021888/photo/1


なかなか手に入りにくい冊子ではありますが、お読みいただけますと幸いです。
 
posted by 草子 at 03:44| 短歌、詩

2014年06月20日

短歌掲載『鼓動のうた 愛と命の名歌集』東直子・著

歌人、東直子さんのご著作『鼓動のうた 愛と命の名歌集』(毎日新聞社)に
陣崎草子の歌を掲載いただしました。

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東直子さんの「愛するということ、生きるということ」に迫る短歌エッセイ集です。
「夏のエネルギー」のテーマにて以下の歌を引用いただきました。

せっぱつまっておまえに逢いにゆく夏の林道 蟬の小便光る  陣崎草子

300首あまりの名歌が掲載された、とても読み応えのあるエッセイ集。
このような名歌集に歌をひいていただき光栄です。
一首一首に東直子さんの丁寧な解釈が付され、歌の熱量がじわりと伝わり、歌に新しい生命が吹き込まれるようです。
短歌というのは、このように解釈を与えられて新しく手渡されることで、長い年月を人の心に息づいてゆくのですね。
「愛」にはたくさんの姿がありますが、本書には、片恋や恋人を想う時間、あるいは妻や夫や親や子への純粋であったり複雑であったりする思い、そして、震災で大切な人を失った人々の痛切な祈りといった、胸に迫る愛のさまざまな形が、歌と東さんの言葉によって綴られています。

東直子さんの導きにより、たくさんの印象深い歌に出会いました。
以下に少し引用してみます。

華やかに振舞ふ君を憎めども声すればはかなく動悸してゐつ  相良宏

片恋の水路しずかに進みゆきはるか花ある密林に逢え  大滝和子

我前(まえ)に立つ すなわち赤いブラウスのそれでいてあなた はずかしがりや 村木道彦

父母を好きでなくとも生きていける生きていけるよ階段おりよ  東直子




はっと胸をつかまれるような歌に出会える本書、ぜひ手にとってみてください。



 
posted by 草子 at 03:44| 短歌、詩

2014年05月25日

掲載『子ども歌人になる! 短歌はこうつくる』

『子ども歌人になる! 短歌はこうつくる』 (国語がもっと好きになるシリーズ)
佐藤弓生 (著), 木谷紗知子 (著), 工藤順一 (監修)
という本にて、短歌を一首掲載いただきました。

tankako004.jpg

こちらに、拙歌集『春戦争』より、以下の一首を掲載いただきました。

火をぜんぶ消してしまってポケットにじゃりじゃりと鍵遊ばせている  陣崎草子

本書は子どもたちに短歌の成り立ちから、短歌をつくるための技法について
細やかに丁寧に教えてくれる本ですが、
参考として引用されている歌が、平安時代の和歌や近代短歌などの名歌はもちろんのこと、
すごく最近の歌人たちの歌がふんだんに取りいれられていて、新鮮さに驚きます。

個人的な感想で恐縮ですが、私の上記の歌も、ちょっと不穏な印象があるかと思うので
子どもたちが触れる短歌の本に掲載いただいて、うれしくもドキドキしています。

思わず笑ってしまったり、ハッとしたり、ドキリとしたり、といった歌と
たくさん出会える本書、こんな新鮮な本で短歌と出会えるなんて素敵です。


 
posted by 草子 at 11:44| 短歌、詩

2013年05月25日

新鋭短歌シリーズ

『新鋭短歌シリーズ』のウェブサイトがオープンしました。
http://www.shintanka.com/shin-ei/

新鋭短歌シリーズとは、書肆侃侃房が主催し、歌人の加藤治郎さんと東直子さんが、今を詠う新しい世代の歌人の第一歌集の出版をプロデュースするというシリーズです。
サイトオープン日でもある5月25日に、シリーズ第一陣の木下龍也さん、鯨井可菜子さん、堀合昇平さんの第一歌集も発売となりました。


私、陣崎草子も東直子さんに監修いただき、シリーズ12名のうちのひとりとして、ただ今歌集出版の準備をすすめています。
初秋には刊行される予定です。

現代短歌の旗手として一線を走りつづける加藤治郎さんと東直子さんのプロデュースで、現在の多岐にわたる短歌シーンにおいて活躍目覚ましい方々の歌集が、一挙に世に出るとあり、『新鋭短歌シリーズ』はさまざまな意味で注目を受けているようです。
短歌という表現手法を掲げて疾走する方たちのこれからが、実に楽しみです。
今後、さまざまな動きもあるのではないかと思います。

意義深いシリーズの出帆を、末席に同船するものとして心より喜びたいと思います。
多彩な感性・手法であらわされた歌のどれかひとつでも、読んだ方の心にとどけばと願っております。


短歌との出会いは私にとって、まるで生まれなおしをしたかのような衝撃でした。

 
posted by 草子 at 17:59| 短歌、詩

2011年11月24日

冬のうた



いつか口にふくむのだろう角砂糖 耳鳴りの都市に朝降る雪は


この冬のぼくの暮らしはしっくりときてて靴など新調して


冬、くっきりとした光降る階段をのぼる白磁の皿を抱えて


誰にでも空は等しくあるということに嫉妬し息吐く冬道


 
posted by 草子 at 10:00| 短歌、詩

弱者


花や鳥など小さく弱く思えるものほど慈しみ守ろうとするのは、

弱者である自分をこそ守ってくれと内心訴えるためだ。

しかし、花や鳥といったあちらさんは

しばしば「あっ」と思うほど人を横目にして強靱で、

守られるべきものでなどないことを知る。

 
posted by 草子 at 09:15| 短歌、詩

2011年11月04日

冬の朝


昨日送ったメールの書き出し。

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朝の珈琲って本当に幸せです。
それに今日は散歩で、木の上のスズメやヒヨドリがふくぶくしくて愛らしかったです。
冬を前にして、ふくらんでいるのでしょうか。
なんだかですね、体を弱くしているとやけに気持ちが優しくなるようで、
本当はもっと凶暴に生きたいのですが、
もしかして(もしかしなくても)、そんな度量はないのかもしれません。
残念なんですけどね。
自分の性質は、どこかの時点で深く受け入れるべきものでしょうか。

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鳥がふくぶくしい、という感じ方を教えてくれたのは学生時代の同居人。
久しぶりに二人で飲んだ帰り道。なぜかその時のことをよく憶えている。
彼女はいま仏師の妻。
仏師の妻と母と教師をやりながら、
なにやらまるい雰囲気の絵を描きつづけてらっしゃり、ときおり便りをくれる。

あの人ふしぎなことに、十代の頃から「まるいなにか」ばかり描きつづけている。
妻や母や教師であるその人とは、他の世界の記録でしょうか。
どうしてか自分の周囲の女友達は、首をかしげるほどに柔和な人多く、
誰も傷つけようとせずに生きておられて、鳥のことなど教えてくれる。



瞼ふせもの思う間も小雀は平たく冬の空旋回し 


ふれたいと思う白磁の皿とおくあれは君かよと悟る 初霜




陣崎草子

 
posted by 草子 at 09:26| 短歌、詩

2011年08月24日


雑音から遮られ、

世界と自分とがまっすぐに結ばれる場所に座り、野の花を見つめるとき、

私と花は素朴な現象同士として、一対一に向き合うことになる。

しばらくして私は花のなかに、すっきりと立つ一本の「芯」があるのを見つける。


 
posted by 草子 at 07:44| 短歌、詩

あるいは波紋の上の石


とある談話の会に赴いたときのこと。壇上にはきらびやかな人たち(あるいはその場所につめのぼったのだという人や)が居並んでおり、ひとりの若者が手をあげて発言するに「私はあなたたちのような立場をのぞんでいた。うらやましく、ねたましくすらある」とはじめました。


若者はずいぶん動悸をして、声はふるえておりました。まのあたりにしているうちは、若者の緊張がつたわって私までも焦る心地にさせられたものでした。


けれど幾日も日が過ぎた今になってみると、壇上の人々の上等なふるまいよりは、あの若者の動悸やふるえの方が濃くまざまざと思い出されます。


誰もが死ぬのに、死ぬまでに為せることについて個体の差は激しい。多くの人が打ちのめされるその事実について、ずいぶん愚直に向かった若者は。それでも社会の意に染むように、気さくに生きたりできないでしょう。


できないことのある人は、あんまりふるえて美しく。あるいは飛沫をまき散らす、波紋の上の石でしょう。あの日の午後、私はたしかに若者の飛沫を受け取り、自分の貧相な手の内に水滴が光るのを、じっといつまでも見ていたのです。


 
posted by 草子 at 07:42| 短歌、詩

2011年07月25日

NHK短歌8月号:コラム『言葉を増幅させる絵とは』


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NHK短歌8月号のジセダイタンカのコーナーに
コラムを寄稿しました。
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=09173082011

『言葉を増幅させる絵とは』というタイトルで、言葉と絵のコラボレーションの関係性について語るにあたり、『むかしむかし』(谷川俊太郎・詩、片山健・絵、イースト・プレス刊)という絵本のことを取り上げさせていただきました。

お読みいただけますと幸いです。

 
posted by 草子 at 15:14| 短歌、詩

2011年06月17日

短歌:既発表



星の数と縞馬の縞の数くらべ縞馬の縞の数の美し   陣崎草子


 
posted by 草子 at 00:47| 短歌、詩

2011年06月16日

NHK短歌7月号「ジセダイタンカ」に五首掲載

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NHK短歌7月号の「ジセダイタンカ」というコーナーに
「グッドモーニング、それでも」
という短歌連作五首を掲載いただきました。

「ジセダイタンカ」は天野慶さんの編集による、短歌の新人をとりあげるコーナーです。
この度は天野慶さんにお声がけいただきました。
次の8月号ではコラムが掲載されます。
合わせて、お読みいただけますと幸いです。

NHK短歌サイト

 
posted by 草子 at 12:48| 短歌、詩