2016年10月25日

最上一平さん こころのふるさと展(東京・羽村市)

作家、最上一平さんの「こころのふるさと展」、東京、羽村市で開催。

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陣崎草子・画筆の絵本『おかめひょっとこ』の原画が展示されます。
11/2(水)〜13(日) 10:00〜17:00 最終日16:00まで
11/5(土) 14:00〜最上一平さんの図書館児童文学講演会
会場:羽村市生涯学習センターゆとろぎ

★絵本原画の展示
『からかさにざえもん』(最上一平・作、国松エリカ・絵、文研出版)
『おかめひょっとこ』(最上一平・作、陣崎草子・絵、くもん出版)

『おかめひょっとこ』に関する記事はこちら
自分でいうのも何ですが、気合いの入った絵です。
最上一平さんの独特の空気を放つ物語、言葉なくしては生まれなかった絵だと思っています。
原画の迫力をぜひ味わっていただけますと幸いです。

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11/5(土) 14:00からは、同会場にて最上一平さんの図書館児童文学講演会があります。
入場無料ですので、ぜひ足をお運びくださいませ。
 

posted by 草子 at 06:50| 展示・イベント

2016年10月24日

『穂村弘の、こんなところで』対談収録

『穂村弘の、こんなところで』(著・穂村弘、写真・荒木経惟、KADOKAWA・刊行)
歌人、穂村弘さんの対談集が刊行されました。
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本書は資生堂の文化誌「花椿」の連載がまとまったもので、穂村弘さんが小説家や劇作家、俳優、デザイナー、学者など、さまざまな分野で活躍する方と対談し、「何かを作ること、表現すること、その分野で戦うことの秘密について訊いていく」というもの。

名だたる著名人に囲まれて、なぜ私が、という感じですが、私も「歌人・絵描き」として対談に登場させていただいています。
写真家のアラーキーこと、荒木経惟さんの写真も、「時代の人」を撮影しペイントをほどこす手法は毎回鮮烈。
私のときには、絵本『おむかえワニさん』とコラボレートしてくださっています。(目が飛び出ました)
対談をまとめて下さったのは、瀧井朝世さん。瀧井さんは数々の文筆家のインタビューを記事にするお仕事をされており、いつも敬意をもって深く対象の創造の根に迫る手腕がみごとだなと思って拝読していましたが、私の対談でも、散らばった内容をきりっとまとめて頂いていて、原稿を読んだときは驚きました。
装丁デザインは、対談にも登場の名久井直子さんが担当されています。拙作『桜の子』の装丁の打ち合わせでお会いしたときは、本書の対談内容そのままの職人的などっしりした佇まいに魅了されました。

穂村弘さんの対談は「その人の才能や、なぜその表現ができるのかの謎に迫る」という姿勢で展開されることが多いように思いますが、本書も「時の人」である方々に素朴かつ鋭い、直球変化球織り交ぜた質問で切り込んでおられます。
どの方の対談も滅法おもしろいですが、ミナ・ペルホネンのデザイナー、皆川明さんの対談など、魚市場でマグロをさばく仕事をしながらミシンを踏み、アサリを仕分けながらあの可愛いデザインを生み出す素地が生まれていた話など、意外性にあふれ、絵を描く方にとってはすごく刺激的かつ嬉しい内容ですよ。

ちなみに、対談の中で穂村さんが触れてくださっている、このブログの「あしたしんでもしあわせ」というタイトル。
穂村さんは昔からよくこの件についてはいろいろ言ってくださってましたが、穂村さんのみならず、けっこういろんな方が、私に会うとブログタイトルについて言及してくださるんですよね。
ブログのタイトルを決めたのはもうずいぶん昔のことですが、タイトルを決めたその瞬間のことはけっこう強烈におぼえています。
心の底から笑いがこみ上げて、おかしくってしかたない、という感じで、ひとり、めちゃくちゃ笑っていました。いったい、どういう心理状態だったのか謎ですが、「すごく正しいタイトルだな、これしかありえない」と思ったのでした。
「きょうしんでも」ではなく、「あしたしんでも」であるところに、自分の死生観がよく表れているように思います。
死ぬならば死を自覚して、よく死を味わいたい。
そんな思いからの「あしたしんでも」なのでしょう。
何年も前の自意識から生まれた言葉ですが、以後の人生でもこの価値感は変わらなさそう。
同様に、穂村さんとの対談でお話した内容も、私に関しては、自分の人生や環境の変遷によって変化する、ということのないお話をしていると思います。

さらにもうひとつ!
対談の中では「穂村さんに背後に城が見えた」という話をしていて、穂村さんが「あ、日本の城ね、洋風の城かと思ってた」というシーンがあるのですが、これ、とっさのことで否定できなかったんだけど、日本の城じゃないんです!
世界中の誰もが「どうでもいいわ」と思うことでしょうけれど、せっかくなので追記しておきます。
ではどんな城なのかというと、という話は、いつかどこかで機会があったら言うか書くかするかな? しないかな?

そんなこんなで、私はともかく、ですが、刺激的で豪華な「表現の秘密」が41対談。
あとから振り返ったとき、「今」という時代の文化を記録する貴重な対談集となりそうです。
ぜひぜひ、手にとってみてください。



posted by 草子 at 00:00| 本の仕事・著作

2016年09月15日

雑誌「GINZA」 短歌「失恋とスキンケア」

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雑誌「GINZA」(マガジンハウス・刊)のビューティページにて
短歌と写真のコラボレーション企画に短歌を寄稿しました。

初秋、晩秋の女性の複雑な心理をスキンケアと共にある時間と重ねて短歌を詠みました。
私の短歌を写真家、鈴木諒一さんがさまざまなアイデアでアレンジくださり、瑞々しくも秋らしい深みのある作品にしてくださっています。
さまざまな問題も抱える現代を、スキンケアによって自らを癒やしたり保護したりしながら、可憐に艶やかに、ときに雄々しさすら見せて駆け抜けてゆく、今の女性たちの姿が映し出されます。

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テーマを頂いて短歌を詠み、かつ、その短歌を写真とコラボレーションで作品化いただくという初めての試みで、とても新鮮でした。

それにしても「GINZA」、モード・ファッションはもちろん、カルチャーや色彩、ビジュアルの面白さが弾けている誌面で、すごく刺激的!
ずっと眺めていると、アイデアがむくむく湧いたりしてワクワクします。
昔、造形家の男の子が「女性ファッション誌を見るのが好き」と言っていた意味がよく分かります。

公式サイトで短歌のページも少し見られます。
http://magazineworld.jp/ginza/ginza-232/

ぜひ本誌を手にとってくださいませ。
 

2016年08月30日

『桜の子』(作・陣崎草子、絵・萩岩睦美、文研出版)について

『桜の子』(作・陣崎草子、絵・萩岩睦美、文研出版)について、
作家の内田麟太郎さんがとても丁寧に、素敵にご紹介くださいました。
http://blog.goo.ne.jp/rintaro-uchida/e/a0d741bda91deeb287f0e86aab1b7225

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「その幻美。わたしはこの場面を映画に撮りたいと思いました。幻と現実の、その悲しさとやさしさの美しさを。」

と、お書きくださっています。
内田麟太郎さんは、私が講演会にて初めて目の当たりにした作家さんで、
言いしれない惹きつけがあって「作家になりたい」と強く憧れをもつ
きっかけとなってくださった方でしたので、とてもうれしいです。
ありがとうございます。

その講演の最後に、内田麟太郎さんが朗読された
傷ついた少年の光を描いた詩のことは、きっとずっと忘れないことと思います。
posted by 草子 at 16:24| 新聞、雑誌などへの著作掲載

2016年08月28日

雑誌「飛ぶ教室」に連載「ウシクルナ!」掲載

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雑誌「飛ぶ教室46号」(光村図書)にてお笑い童話「ウシクルナ!」の第三話が掲載されています。
公式情報はこちら

第三話のタイトルは「そのうち浮き上がり隊」です。
栃乙女レラミにアパートのドアをバズーカで破壊された四葉四郎くん。
なんと、レラミとウシたちとバンドを組んで芸能界を目指すことになりました。
そしてバンドのメンバーたちは、切っても切れぬ前世からの因縁で結ばれているとか……。
「そのうち浮き上がり隊」の由来とは……?

「ウシクルナ!」は、こちらのサイトで記念すべきゼロ回のお話を
一部読めるようになっていますので、この機会にぜひウシの世界に触れてみてください。

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「飛ぶ教室」の46号は動物童話特集号。
内田麟太郎さんなどベテランの作品や、歌人の吉岡太朗さんなど、さまざまなジャンルの方が寄稿されています。
以前、お話に絵をつけさせていただいた昼田弥子さんも斬新なお話を書かれています。
なんと、今号から如月かずささんの新連載も始まっています。

ぜひ、手に取ってくださいませ。

2016年07月14日

雑誌「いいね」にて新ブランドMs.crayonhouse着こなし対談

クレヨンハウスさんの新しい服のブランド「Ms.crayonhouse」の服を着て、デザインをなさった作家の落合恵子さんと、雑誌「いいね」誌上にて対談させていただきました!

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クレヨンハウスさんのサイトでは、私のページも掲載いただいています。
http://www.crayonhouse.co.jp/shop/g/g4910032260869/
優雅でありながら意志的なラインの本当に素敵なお洋服でした。

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写真は落合恵子さんと。
私の絵本デビュー作『おむかえワニさん』(文溪堂)を見ながらおしゃべりさせていただいています。

誌上では20代〜80代の方まで、澤地久枝さん(作家)、木内みどりさん(俳優)、渡辺一枝さん(作家)、谷こころさん(SEALDs)といった方々が登場されていて、本当にあらゆる年代で上品に活動的に素敵に着こなせることが分かります。

私が撮影所に到着したときは、ちょうど渡辺一枝さん(椎名誠さんの奥さまでもある)が撮影中でしたが、もうカッコイイのなんの! 輝きにのけぞりましたとも。
こんなふうに素敵に年を重ねたい、と憧れることまちがいなしです。

【シリアの女性に仕事を。イブラ・ワ・ハイトという取り組み】
そしてこの日は小物類はふだん使っている自分の好きなものを身につけました。
その一つが「イブラ・ワ・ハイト」さんの刺繍くるみボタンを使って自作した赤いブレスレット。
「イブラ・ワ・ハイト」とは「針と糸」という意味で、紛争がつづくシリアの女性たちに針と糸でシリアの伝統的な刺繍品をつくってもらい、それを適正価格で買いとることで「仕事」と「希望」を創造しようという取り組みです。
イブラ・ワ・ハイトの詳細はこちら

私はこの「イブラ・ワ・ハイト」さんの刺繍を見たとき、そのチャーミングさに一目惚れしたのです。

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そして、紛争という深刻で辛い状況の中にあっても「手仕事」をやめないことによって希望を紡ごうという考え方に打たれました。
また、絶望するような悲しいことがたくさんあるだろう状況にありながら、シリアの女性たちの作る刺繍作品はどれもどこかユーモラスで、笑ってしまうような作品ばかりであることも不思議に思い、惹かれました。
その、刺繍に現れるチャーミングさは、シリアという国が突然の紛争状態になる前は、とても平和で、親切とユーモアがあふれた豊かな国であったことと関係するのではないか、という事を知るにつけ、ますますシリアやイブラ・ワ・ハイトさんの活動に興味を持つようになりました。

【落合恵子さんとの対談】
対談では「欲しいものがなければ自分で作る!」の精神でクレヨンハウスを立ち上げた落合さんと、ファッションの話から始まって、「クリエイティブに平和を創造してゆくこと」についてお話させていただきました。
いつ何時、平和という均衡が崩れるか分からないという時代を歩きながら、それでも前向きに創造的に「平和」や「あらゆる差別の撤廃」を求め、自ら創ってゆくことについて、Ms.crayonhouseの服作りから、たくさんヒントや勇気をいただいたのでした。

【すこしでも世界を美しくするために生きるということ】
誌上では、Ms.crayonhouseのブランドが「エシカルファッション」という考え方を採用して生み出されてゆく過程も紹介されています。
ファストファッションの服など、極端に安価な服やさまざまな商品は、経済を循環させる利点がありながらも、一方で地球上のどこかで誰かを抑圧している側面があるという事については、以前から心にひっかかっていました。
バングラディッシュの縫製工場では、大量消費社会のひずみが要因であるともいってよい大きな事故があり、多くの犠牲者を出した事で世界的に話題になり、映画も生まれました。
http://spotlight-media.jp/article/216387081453326073
最先端でファッションを牽引するクリエイターたちも、そういった問題に注目し、状況を改善しようという取り組みが行われているようです。
http://www.fashionsnap.com/inside/ethical-fairtrade/

「いいね」の本誌ラストでは、落合恵子さんがバーバラ・クーニーの絵本『ルピナスさん』を引用しながら、新しい服を作ろうとした思いについて語っておられます。

「世の中をもっと美しくしたい」

ルピナスさんのその言葉に、そしてこの社会全体の罪過によって苦境に立たされた人たちの抑圧を取り去ろうと努力する方々の姿に、とても励まされます。
私も生きている間に、すこしでも「この世界を美しく」するための礎として働きたいなと思います。

そして、クレヨンハウスさんの店舗では、現在、Ms.crayonhouseの服を着た方々の写真をパネル展示しているそうで、私の写真も飾ってくださっているとのことです。
http://www.crayonhouse.co.jp/shop/e/eMscraSN/
ぜひ、店舗で実際のお洋服を手にとってみてくださいね。




2016年07月13日

新刊『はじめてのえいごえほん にほんのおはなし2』(くもん出版)

新刊が出ました。
『はじめてのえいごえほん にほんのおはなし2』
(監修:田島信元、再話:ささきあり、くもん出版)
http://kumonshuppan.com/ehon/ehon-syousai/?code=29473

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私は「はなさかじいさん」の絵を描かせていただきました。

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ちいさな子がはじめて出会う「むかしばなし」
そのおはなしを、英語と日本語の二カ国語で楽しめるというなんとも嬉しい本です。
英語の読み聞かせと歌のCDもついていますよ。

一冊の本に三つのお話が入っていて、この巻には「うらしまたろう」「つるのおんがえし」「はなさかじいさん」が収録されています。
それぞれに、現代的な絵、民話的な絵、デザイン的に洗練された絵と、異なる個性の絵描きが絵をつけていて、さらに歌までついているという、文も絵も、目でも耳でも、さまざまに楽しめる工夫いっぱいの絵本になっています。
『にほんのおはなし1』がすでに刊行されていますが、とても人気があるそうです。
これだけ工夫いっぱいの本なら、人気もうなずけます。

小さなお子さんたちが生まれてはじめての昔話の世界に出会う時間が豊かなものとなりますように。
手にとって、お子さんと楽しんでいただけますと幸いです。



posted by 草子 at 00:00| 本の仕事・著作

2016年06月16日

チャイルドブック・カレーライスのうた

チャイルド本社さんの月刊誌「チャイルドブック7月号」
「カレーライスのうた」の絵を描かせていただきました。

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みんな大好きカレーライス!
こどもたちに「美味しそ〜」と思ってもらえますように〜。

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2016年06月15日

PR誌「ほんのひとさじ」に掌編小説「傘泥棒」寄稿

出版社・書肆侃侃房さんのPR誌「ほんのひとさじ」Vol.2に
1000字の掌編小説「傘泥棒」を寄稿しました。
http://www.kankanbou.com/kankan/index.php?itemid=726

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PR誌「ほんのひとさじ」は、拙歌集『春戦争』の版元である書肆侃侃房さんのPR誌です。
全国の書肆侃侃房の本を扱っている書店さんで、テイクフリーにて手に入ります。
主要都市の大きい書店にはけっこう置いてあるので、ぜひ探してみてください。
また、100円で電子書籍版も購入できるようです。

岡井隆さんなど歌壇の重鎮から、若手新鋭まで
他にはない顔ぶれの方々が寄稿なさっていますので
ぜひ手にとってみてください。


 

2016年06月10日

歌集『春戦争』電子書籍刊行

陣崎草子 第一歌集『春戦争』(書肆侃侃房)の電子書籍版が刊行されました。



新鋭短歌シリーズの他のラインナップ歌集も電子化されているようです。
この機会にぜひ、お読みいただけますと幸いです。
 
タグ:短歌
posted by 草子 at 08:00| 本の仕事・著作

2016年05月29日

NHK番組「オトナヘノベル」ミニドラマ原案小説

NHK番組「オトナヘノベル」内の
ミニドラマ原案小説「ショッピング・ブルー」を執筆しました。
http://www6.nhk.or.jp/otona/

放送日は6月2日、主役の萌香を乃木坂46の堀 未央奈さんが演じてくださいます。
http://www6.nhk.or.jp/otona/calender/index.html?i=96
ウェブ上で小説を読むことができますので、
放送と合わせてご覧いただけますと幸いです。
再放送もあるようです。

2016年04月26日

新刊『桜の子』刊行!

『桜の子』(作・陣崎草子、絵・萩岩睦美、文研出版・刊)
とても大切にしていた物語がいよいよ刊行されます!
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刊行日は4月26日、書店やネットショップにはもう少ししたら配本されることと思います。

このお話は、小学校5年生の香衣と糸子、ふたりの少女の物語です。
私としては、物語を書くようになってから、初めてピアノを弾くように柔らかな筆致で書けた物語。
大切に思っている本を刊行することができ、とても嬉しく思っています。

★ストーリー
香衣と糸子ちゃんは学校ではあまり話しませんが、ある日、近所の小姫神社で神主さんから、江戸時代に亡くなった伝説の少女「桜の子」のお話を聞いたことから、桜の子の「お骨」探しをいっしょに始めるようになります。
江戸時代に亡くなった子の骨なんて見つかるわけない、と思いながらも、取り憑かれたように桜の子のお骨を探す糸子ちゃんに、次第にひきつけられてゆく香衣。
桜の子とは、いったいどういう存在なのか。
桜の子は、糸子ちゃんと香衣になにを伝えようとしているのか。
だれかと友だちになるということ、だれかといっしょに遊んだ日々のこと、そして、それらの美しい瞬間の数々が、いつか、未来の自分に語りかけてくるということ。
そんな思いを物語に託して綴った、小さなファンタジー作品です。

★装丁画と挿絵
絵はこどもの頃に少女漫画雑誌「りぼん」で「銀曜日のおとぎばなし」に出会って以来、不思議な世界への優しい眼差しに魅せられ続けている、漫画家の萩岩睦美さんがご担当くださいました。
思い描いていたとおりの上品で愛らしい姿として二人の少女を描いてくださり、胸ふるえる思いです。
香衣と糸子に命を吹き込んでくださいました。本当にありがとうございます。

また、装丁デザインは、名久井直子さんがご担当くださいました。
さまざまなデザイン的制約もある中、とっっても愛らしい本姿にしてくださり、深く感謝申し上げます。
打ち合わせでお会いした名久井直子さんは、一目でわかる「魔法使いの手」をされていて、おどろきました。


★本にまつわる不思議なこと
『桜の子』は、事前に読んでいただいた方の声をきくと、私が今まで書いた物語の中でもいちばん好きだと言ってくださる方が多いお話です。
また、この物語をつづっている過程やつづり終わったあとにも、物語の中の人々がこちらに語りかけてくるような、不思議な出来事がさまざまにありました。
物語って、自分の力だけで書くものじゃないんだな、見えない何者かからの声に耳を傾けながら書くものなんだなということを体感した、記念碑的な作品でもあります。

この、作者にとっても愛しくてならない物語が、たくさんの読者の元に届いてくれますように。
こどもたちが、やわらかな風を感じてくれますように。
祈りを込めて送り出したいと思います。



posted by 草子 at 11:51| 本の仕事・著作

2016年03月27日

連載『ウシクルナ!』特設ページ

雑誌「飛ぶ教室」(光村図書)で好評連載中のお笑い童話
『ウシクルナ!』の特設ページを開設しました!

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http://www.jinsakisoko.com/ushikuruna/

連載のきっかけとなった「飛ぶ教室40号 童話特集」に寄稿した「特大にまちがってるサンタ」のお話が半分程度読めるようになっています。5分くらいで読めると思いますので、ぜひぜひ! 「あの、おっさんウシ」の登場秘話をご一読くださいませ。

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『ウシクルナ!』は、「飛ぶ教室」誌上で現在も連載中です。
なんだかメチャクチャっぽいキャラも新たに登場して、43号ではアパートのドアをバズーカで吹き飛ばされてしまった四葉四郎くん、いったいどうなるのでしょう。

ぜひ、「飛ぶ教室」本誌のほうも手にとっていただけますと幸いです。
 

2016年03月25日

装丁画・『短歌ください 君の抜け殻編』(穂村弘・著)

装丁画を担当させていただいた本が刊行されました。

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『短歌ください 君の抜け殻編』(穂村弘・著、KADOKAWA・刊)

本の雑誌「ダ・ヴィンチ」誌上で長期連載(なんと8年目!)されている人気コーナーの書籍化第三弾です。
歌人の穂村弘さんが、投稿された歌に評をつけておられます。投稿歌人の方々の中には活躍目覚ましい方も登場され、短歌の新しい門を開く才能が集まる場ともなっているようです。
装丁デザインは一巻、二巻に続き川名潤さんがご担当くださり、素敵なデザインにしてくださいました。

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今回帯に選ばれた、ほうじ茶さんの短歌は本のサブタイトルにもなっています。
ハッとする発見のある、妖しい愛の歌ですね。「抜け殻の君」には現実がにじみますが、「君の抜け殻」には非現実への憧れが輝きはじめることの不思議に気づかされます。「魂の抜けたような」という言い方がありますが、これはいったいどのような状態をさしているのか、言葉の意味の再考をせまられるようです。
現実的な苦労から鮮やかに逃げきってやろうとする悪女めいた感触もあり、しびれます。

興味深いのは、本書の中ではこの歌、穂村弘さんの評がずいぶんあっさりとしているんです。
最終的に本として編んでゆく過程で、歌の強さが浮きあがってきたのでしょうか。

また、『短歌ください』のもうひとつの特徴として、「お題」そのものに注目するのもおもしろいように思います。これらのお題にはおそらく、評者である穂村弘さんご自身の関心や問題意識が投影されています。
穂村さんは他のご著作でも、日常の細部(たとえばペンとか)から世界の全体像を探りだそう暴きだそうとする型の考察を見せておられるように思いますが、『短歌ください』では、関心のあるホットな題材を投稿者にむかって投げることで「現代を生きる人々には題材を通して世界がどう見えるのか」を眺め、それをご自身の考えにフィードバックされているところがあるのではないか、という気がします。

そういう意味で興味深いのが、「ブラジャー」のお題でしょうか。
この『短歌ください』に登場するブラジャーのお題の話は、穂村さんの対談集の中にも話題が出ていました。
また、実はこのお題が登場する前に穂村さんとお話することがあったさい、「ブラジャーのことがなんだか気になる」とおっしゃっていたことがありました。何が気になるのか、そのときは具体的に聞くことはできませんでしたが。
おそらく「ブラジャー」というものを「短歌」という箱に入れて徹底的に観察することで、この世界の謎がほんの少し解明される可能性があると思われるために、気になるのではないでしょうか。
解明される謎とは、ひょっとしたら「男女の非対称性」についてかもしれないし、「隠すという行為に隠されたなにか」であるかもしれないし、あるいは「あの丸い形状や装飾性に投影された社会構造」なのかもしれません。

考えてみると、原始的な部族ではそもそも「胸を隠す」という習慣自体ありません。
なにであれ「隠す」という行為が発祥する原初の段階には、人間という存在そのもののなんらかの秘密が封じられているように思います。
また「隠す必要」について、機能面での理由が容易に想像できる「パンツ」より、「ブラジャー」のほうにより、文化の発達にともなって後天的に現れだした人間の精神性を感じるようでもあります。
原始的な部族においても「下」は早い段階で隠しはじめたはずですが、「上」を隠すという発想は、社会性がなんらかの段階を迎えたことによって生じたのでしょう。
その「段階」とは、いったい何なのか。

このように「短歌」というものは、どうも私たち人間の生きている世界の「謎」を、一度「箱(定型)」に閉じこめることによって、その「素材(言葉)」に封じられた「この世界の秘密を少し解放する」といった機能もあるようです。
短歌という詩型は、箱の内部でなんらかの物理現象を生じさせるさせるためのブラックボックスになっているようでもありますね。なんとも興味深いです。

また、どうやらさまざまな表現ジャンルは、上記にあげた「短歌のブラックボックス機能」のように(短歌の機能はこればかりではありませんが)、個々のジャンル独自の機能特性を持っているようなのです。
私の属するジャンルでいうなら、絵には絵の、絵本には絵本の、児童文学には児童文学の、それぞれ特徴的な機能特性があります。これはいわば、ジャンルそれ自体から「このジャンルが持つ機能特性を活用することで解明し得る “この世界の謎" を追究せよ」と要請されているかのような働きをみせるらしく感じています。

「目は目のやり方によって、鼻は鼻のやり方によって、口は口のやり方によって、それぞれに世界を感じる」
そのようなジャンルごとの機能差、役割の差があることを、近ごろ強く認識しはじめています。

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今回の絵は、金色など発色の強い色もいろいろ使っているので、いつかどこかで原画を飾りたいなと思っています。


 
 
posted by 草子 at 05:44| 本の仕事・著作

2016年03月18日

新刊『らくごでことわざ笑辞典 犬も歩けば』斉藤洋・著、陣崎草子・絵、偕成社・刊

出ました! 人気の斉藤洋さんのらくごシリーズ第3段です。

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『らくごでことわざ笑辞典 犬も歩けば』(斉藤洋・著、陣崎草子・絵、偕成社・刊)
今回は「ことわざ」がテーマで、よく知ってることわざも、聞いたことのないことわざもどんどん出てきます。
頭がぐるぐるするような言葉あそびと謎かけと笑いがいっぱい。

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今作は、前作で主役をはった一郎くんと、その友だちの太郎くんのストーリー。
「たいほイッパツ!」Tシャツがトレードマークの、太郎くんの恋のゆくえを追っていきます。
ん……牛? 牛がどうかしたのかな? はてはて。

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「かまだ かまだ」と、なんだか謎のよろこび方をしているタヌキ。
編集のSさんと私のお気に入りのページです。

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そして! 本作でもまた「あの人」がなんだかんだと登場して活躍しています。
宇宙人になったりふんどし姿になったり、いつもいちばん忙しい「彼」です。

装丁デザインは前2作につづいて、山ア理佐子さんがご担当くださいました。
いつも本当に工夫いっぱいの楽しいキッチュな姿の本にしてくださいます。
本書もすみからすみまで愉快にシャレた本姿になっており、こどもたちもきっと楽しんでくれることと思います。

新学期の初笑いにぜひ、『らくごでことわざ笑辞典 犬も歩けば』を手にしてくださいませ。


 

ちなみに、シリーズ第一作の『らくごで笑学校』が、このほど増刷になりました!
ありがとうございます。
全国の小学校でたくさんの小学生たちが、くつくつお腹をかかえて笑ってくれていると思うと、とてもうれしいです。


 
posted by 草子 at 20:00| 本の仕事・著作

2016年03月15日

新刊『3日で咲く花』(偕成社)に「飛ぶ世代」収録

タイムストーリーシリーズ『3日で咲く花』に「飛ぶ世代」という掌編小説を収録いただいています。

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本書は日本児童文学者協会の編纂による、5名の作家の「3日間」をテーマにしたアンソロジーです。
執筆者は、白矢三恵さん、渡川浩美さん、加藤純子さん、小手毬るいさん、そして陣崎草子の5名。
緊張感のあるハイセンスなイラストは田中寛崇がお描きくださっています。
偕成社より刊行・公式サイトはこちら

私は「飛ぶ世代」という作品を寄せており、20枚の掌編ですが、けっこう気合いを入れて書いた作品ですので、ぜひぜひ! お読みいただけますとうれしいです。

 
 飛ぶ世代。
 君たちは、そう呼ばれる最初の世代になるかもしれない。



近未来、「特殊航空専科学校」という、航空部隊に入隊するための専科学校を受験しようとする中学三年の女生徒たちの3デイズキャンプの話を書きました。田中寛崇さんが、意志的な表情の少女たちをかっこよく描いてくださいました。
「国防」や「救命」、良心や正義とはなにかという葛藤の中にむかっていく若者たちの人生の、開演前夜といった風情のストーリーです。私の作品の中では、ハードな内容のものになっています。
本作で書いたテーマには、今後も取りくんで行きたいと思っております。

「時間」をテーマにした、このタイムストーリーシリーズはどの巻の装丁もオシャレで目を引き、とても人気のあるシリーズとなっています。どの巻から読んでも面白いですので、ぜひ手に取ってくださいませ。


 
posted by 草子 at 10:00| 本の仕事・著作

2016年03月10日

小学館おひさま「ずっといっぱい」魚住直子さん

小学館の「おひさま」4/5月号
魚住直子さんのお話「ずっといっぱい」の絵を描かせていただきました。

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表紙はたんじあきこさんの絵が目印。オシャレ!

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絵はお話の中に登場する「パンダねこ」です。
魚住直子さんといえば『園芸少年』などの長編小説も人気の作家さん。
もちろん私もよく作品を読ませていただいておりました。
なのでお話に絵をつけさせていただけるなんて、と、とてもうれしかったです!
女の子たちのこまやかな心の動きを春のやわらかな日ざしでつつむようなお話です。
ぜひ手にとって読んでくださいね。
 
 

2016年03月09日

企業季刊誌「波」表紙絵&インタビュー

テクニカルソリューションズ株式会社さん発行の季刊誌「波」Voi.2

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表紙絵を描かせていただき、インタビューも掲載いただきました。
表紙に登場する絵のタイトルは「Russes」

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※クリックすると拡大絵が見られます。

Russes(リュス=ロシア)からパリへ渡り、舞台美術や本の装丁画など商業美術で活躍しながら、商業的とはいいがたい幻想的な絵画を残したロシア・アバンギャルドの先駆的女性アーティスト、ナターリヤ・ゴンチャローワへの憧憬を絵にしました。

そして、こちらがインタビュー誌面。

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こちらの誌面データをちょうだいしたとき、飛び上がって喜んでしまいました。
すごーくキュートにデザインしてくださっているんですもの。
デザイナーは藤木まなさんです。
ふだんの私よりもぐっとさわやかな写真姿にしてくださったのは、カメラマンの奥山史歩さん。
そして、丁寧にインタビューしてくださり、簡潔かつ華やかな記事にしてくださった才女は、本誌の編集人でもある西崎文茄さん。
さらに、打ち合わせからインタビュー当日までお世話になった水上亜弓さんは、お会いした瞬間から、にこにこ笑顔の底にやけに胆が座っている感触とピカピカ感がにじんでいるのに驚いてしまい「な……なにかなさってるんですか?」と不躾にもいきなりおたずねしてしまいました。舞台女優さんをなさっているそうです。なるほど!

インタビューの日は社長の勝呂隆男さんといっしょに、西崎さん、奥山さん、水上さんがアトリエに来てくださったのですが、なんだか来られたみなさんの方に自分よりよほどキラキラ輝くエネルギーを感じてしまい、「おお……これからご活躍なさるんだろうなあ」と不思議な感慨をおぼえてしまいました。
小さなアトリエに力強く華やかなエネルギーをそそいでいただいたようでした。
インタビューを受けたのは私なのですが、むしろ私のほうが、記事にしてくださったみなさんの今後のご活躍を楽しみに感じています。
まことにありがとうございました。

ちなみに、当日インタビューを受けながら即興でライブペイントした絵はこちら。
なかなか大胆でおもしろい絵が描けました。

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「Russes」の絵のテーマとも近いですが、色彩の感応の不思議はいつまでも追いつづけたいと思います。
  

2016年03月01日

新聞連載開始『きいちゃんの草花探検物語』

毎日新聞関西版の「読んであげて」のコーナーにて、3月いっぱい連載が開始されます。
『きいちゃんの草花探検物語』 文と絵:陣崎草子、取材協力:保谷彰彦

毎日新聞社さんのウェブサイトでも読めるようですので、ぜひ、毎朝のちょっとした楽しみに読んでやっていただけますと幸いです。
http://mainichi.jp/yonde/

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タンポポが大好きな少女、きいちゃんが、犬のタオさんと猫のヤカさんと春の小径を散歩しているとちゅう、原っぱにはいつくばっているふわふわ博士と出会うことから物語は始まります。
運命的な「タンポポ友だち」として出会ったきいちゃんとふわふわ博士は、春の野に咲く花たちとふれあい、おどろきの草花探検に出かけることとなります。

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草花についての夢を語る自然科学者ふわふわ博士のお話を、ちっともバカにしないで、わくわくがあふれた目をしてきいてくれるきいちゃん。ふだんは難しい研究をしているふわふわ博士も、思わずこどもの頃の好奇心いっぱいの楽しい気持ちを思い出します。

本作は、草花散歩会をごいっしょしているタンポポ研究者の保谷彰彦さんと、かねてから「草花の不思議について、自然科学の本としても冒険物語としても楽しめる本をつくりたいね」と、企画をあたためていたものです。
きいちゃんやふわふわ博士、さわがしいタオさんヤカさんといっしょに、めくるめく草花世界への探検へでかけましょう。

どうぞよろしくお願いいたします!
 

2016年02月07日

2016年もよろしくお願いいたします。

2016年もあけてずいぶんたってしまいました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
お正月からあれこれと〆切りにむきあっていたので、ブログがなかなか更新できませんでした。

2016年は、アンソロジー、挿絵本の刊行、新聞の連載、絵本など、また新しいお仕事に取り組ませていただいています。
春には長編作も刊行される予定です。
(たいへん楽しみな状況で進行しており、深く感謝)
それぞれに自分にとってとても大切な仕事となります。
小説、絵本、童話にも順次とりくんでいく所存です。
長編小説のための取材にもあちこちでかけています。

昨年は複数の作家や編集者さんと、ドイツとポーランドに行き、戦争史や現今の社会問題、それからアウシュビッツ収容所の見学におもむくなど、大きな出会いと経験を得た年となりました。

ドイツでは、難民の支援にあたっている方や、ユダヤ人迫害史を伝える活動をしている画家の男性(70歳代の方で、幼少期に黄色いダビデの星をつけたユダヤ人夫妻をご覧になたっとか)、その他国内の事前取材においても、難民問題の支援にあたる方など、他者の命を思いはかるさまざまの活動をなさっている方にお会いしました。
それらの方々からは、内面から生ずる人としての品位のようなものを感じざるを得ないものがあり、自己の小ささを改めて認識することとなったように思います。

日本でもドイツでも、母国に極めて複雑な事情を抱える方々とお会いすることとなりましたが、直接に人とふれあってみれば、過酷な背景とは独立した命の輝き、エネルギー、人間自体の根本的な美質におどろかされ、このような、人の探りがたい根のところに明滅する「命の美質」というのは、どのように言葉を尽くしても表し得ないことを思い知らされます。もちろん、表しきることが出来ない前提があればこそ、人は表そうとする行為をやめないのだとも思いますが。

ときおり、「なんということだろう」とあ然となるほどに、人(他者)が、美しく見えることがあります。
この体験がなんであるのかを、正確に知ること語ることはむずかしいようです。
ふと相対したその人の背後に、はるかなる時の流れを感得します。
膨大な時間が、目の前にいるその人の、今のほほ笑みに注ぎ込んでいるのを、否応なく理解させられるようなひとときがあります。
視覚ではない器官によって感知される情報の多さを思います。


昨年は、さまざまにお世話になった方のことが、心に強く浮かぶ一年でもありました。
受けたご恩について、決して忘れないように、と思っています。
仕事をすすめる合間の息つぎとしてこのような文章をしたためることについて、ご海容いただけますと幸いです。

人生も創作も、これからもっと変化してゆきそうです。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
 
posted by 草子 at 19:30| その他お知らせ