2015年08月07日

新刊『YA!アンソロジー 秘密』講談社

『YA!アンソロジー 秘密』(講談社)が刊行されました。
著者:小林 深雪  片川 優子  陣崎 草子  みうら かれん  安田 夏菜
絵:牧村久実

私は「秘密」をテーマに、短歌を題材にした「咲き誇れ」という中編を執筆しました。

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「咲き誇れ」は、歌人の枡野浩一さんの短歌との出会いがきっかけで交流が始まる、中学一年生の朝川朱里と、中学三年生の天川蒼一の物語です。

だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け  枡野浩一

物語は主人公の朝川朱里が、枡野浩一さんの歌集『ハッピーロンリーウォーリーソング』(角川書店)を図書室で手にし、歌集に収められた上記の一首に衝撃を受けるところから始まります。
朝川朱里と天川蒼一は、この歌集に短歌を書いた紙をはさみ、返歌を送りあいます。お互いを知らない者同士の「秘密」の交信。けれど、ふたりには何か他にも、人に明かしていないなんらかの事情があるようで……。

作中では、歌人の穂村弘さんの歌、『短歌ください』に掲載の冬野きりんさんの歌も引用させて頂いています。
また、天川蒼一の歌には、私、陣崎草子の歌集『春戦争』から、いくつかの歌を引きました。

何故生きる なんてたずねて欲しそうな戦力外の詩的なおまえ   天川蒼一(陣崎草子)

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牧村久実さんが、とても素敵な絵を描いてくださいました。
カバー裏の両サイドの二人が、朱里と蒼一です。
ふたりの中学生男女は、短歌を通してどのような心を交わしあうのでしょうか。

本書は小学校高学年〜中学生を読者対象としたエンターテイメント小説です。
私自身、小学校四年生くらいの頃に、氷室冴子さんが古典の「とりかえばや物語」を小説にしたコバルト文庫『ザ・チェンジ』に夢中になり、小説読書の扉を開いてもらいました。
本書が、今の小中学生のみなさんにとって、短歌の面白さへのいざないの扉となればよいなと思って書きました。

他の執筆陣のみなさんの作品もとても面白く、また、それぞれの作中の人物が少しずつ交錯し合う様子も楽しいです。
ぜひぜひ、手にとってくださいませ。


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「咲き誇れ」の扉絵は、分かるひとには分かる、枡野浩一さんの歌集の一頁のイメージです。
読者のみなさんが、本当に図書室や本屋さんで枡野さんや他の歌人さんの歌集に出会ってくださいますように。
あなたの学校でも、秘密の交信がはじまるかもしれません。



 
posted by 草子 at 09:03| 本の仕事・著作

2015年07月27日

【イベント】おばけ☆おばけ☆ファッションショー

8月1日(土)品川区立ゆたか児童センターさんで
おばけのファッションショーのイベントが開催されます。
児童文学作家の田部智子さんと講師として参加します。
ユニークなおばけをいっしょに作りましょう!
『おむかえワニさん』の幻灯朗読もします。

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【開催詳細】
おばけ☆おばけ☆ファッションショー
8月1日(土)午後1:30~4:30 先着30名
対象:乳幼児親子、小学生、中高生
会場:品川区立ゆたか児童センター
お問い合わせ:03-3786-0633
参加対象は原則、品川区民ですが、
区外であっても希望者が少数であれば参加可能かも、とのことです。

どんなおばけが見られるかな?
ご参加お待ちしております。
いっしょに夏のおばけたちと遊びましょう。
 
  
posted by 草子 at 16:10| 展示・イベント

2015年07月22日

制作進行中:絵本、挿絵、アンソロジーなど

制作まっ最中の作業風景です。

食べ物の絵本が大人気の苅田澄子さんとの絵本
『おこめようちえん』(講談社)9月の新米の時期に刊行予定です。

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ユーモラスな生き物の先生がたくさん出てきますよ。
どじょうのにょろ先生のむっちり顔、気に入っています。

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小さなこんころりんたちが、おこめようちえんで楽しい時間をすごします。
わたしたちの生活に欠かせない「お米」が、食べ物になってわたちたちの口に運ばれるまで、いったいどんなふうに過ごしているのか?
「お米」ってどういうものか、楽しみながら知ることのできる絵本です。
苅田澄子さんの絵本はどの絵本もユーモアがあって、とっても楽しいです。
『おこめようちえん』も、ようちえんや、生き物たちや、みんなで遊ぶ楽しさがつまっています。
どうぞお楽しみに!


それから、坪田譲治文学賞作家のまはら三桃さんとの本『つくしちゃんとすぎなさん』も制作進行中です。
こちらは毎日新聞で連載の童話の単行本化。

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描きかけのつくしちゃん。この後、背景を描き込んでいきました。

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チェックパターン。原画はとても綺麗な色合いで、我ながら描いていて嬉しくなっちゃいました。

まはら三桃さんの「自分の中の乙女成分をぶんだんに描いた」の言葉に触発されて「絶対かわゆい本にするぞ〜」と張り切った表紙の絵、デザイナーさんが原画を見て「これはすばらしくなりそう!」と言ってくださったとか。
こちらは初秋に刊行の予定です。

その他、8月初旬には、YAエンターテイメントからアンソロジー書籍が刊行されます。
短歌をテーマにした中学生男女の物語を執筆しました。
こちらは、詳細はまた後ほどじっくりと。

という訳で、毎日張り切って制作三昧の日々を過ごしています。
執筆の方もあれこれと進めております。
8月中に長編一本、9月にもう一本、なんとか頑張って上げたいと思います。
お待たせして、たいへん申し訳ありません。
妖しくも笑える短編連作集も、編集者さんと二人三脚で鋭意執筆中です。

さらに、これは刊行はかなり先になりますが、さるアンソロジーに短編を寄稿しました。
けっこうハードな短編で、何人かの方にすでに原稿段階で読んで頂いていますが、好評です。
自分もようやく「面白い!」と言ってもらえるものを、書けるようになってきたかな、「書く筋肉」が少しずつ鍛えられてきたかな、と、最近ちょびっとだけ思えるようになってきました。
この短編については、長編の企画化も進んでいおり、時節を投影したハードな内容でもあるので、しっかり取材を進めたいと思っております。

また、連載も2本はじまります。
こちらは、はちゃめちゃ爆笑童話を書いていく予定です。
なにかとたいへんなことも多いこどもたちに、おおいに笑ってもらいたいなと思っています。

一歩ずつ、なんとか制作を進めてゆくべく、精進したいと思っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
  
posted by 草子 at 09:43| 作業風景

2015年07月01日

「絵本のいま 絵本作家2015-16」に掲載

玄光社さんの「絵本のいま 絵本作家2015-16」に作品を掲載いただきました。
玄光社さんの詳細ページはこちら。

また、掲載ページのPDFをダウンロードできるようにサイトにアップしています。
http://www.jinsakisoko.com/jinsakisoko_ehon.pdf
陣崎草子の絵の活用についてご相談いただく際など、自由にプリントアウトしてご使用ください。
(絵を無許可で商業利用することはご遠慮ください)

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絵は、『おむかえワニさん』(文溪堂)
『おかめひょっとこ』(作・最上一平、くもん出版)の絵をのせています。
自分でいうのも何ですが、私のページ、けっこう迫力あるなあ。
最近、ようやくちょっとは面白い絵を描けるようになったきたような気がしています。
でももっともっと変化して、もっと多様に面白くなってゆきたいです。
引き続き、お仕事のご依頼をお待ちしております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

なお、”2013-14年 この1冊”のコーナーでは、『まばたき』(穂村弘・作、酒井駒子・絵、岩崎書店・刊)について書いています。

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タグ: 絵本

2015年06月30日

小林一茶の俳句

登龍館さんの月刊絵本「仲良し文庫」

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俳句のコーナーにて、小林一茶の俳句に絵をつけました。
詳細は登龍館さんのウェブサイトで見られます。

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「夏山や 一足ずつに 海見ゆる」など二句です。
夏らしい陰影の清々しい絵を描けたと思っています。
ぜひご覧くださいませ。
 

2015年06月25日

『ユッキーとともに』が読書感想画コンクール課題図書に

『ユッキーとともに』最上一平・作、陣崎草子・絵、佼成出版社・刊
静岡県のなつやすみ読書感想画コンクール課題図書に選定されました。

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『ユッキーとともに』は小学校3、4年生の部に選定されています。
夏休みに『ユッキーとともに』を読んだ3、4年生のみなさんが、物語の内容や感想を絵にしてくださるとのこと。
『ユッキーとともに』の物語には、印象的なシーンがたくさん出てくるので、どのような絵が飛び出すのか予想がつきません。小学生のみなさんが、『ユッキーとともに』をどんなふうに絵にしてくださるのか、めちゃくちゃ楽しみです!
ぜひとも、夏休みの気分満点の『ユッキーとともに』を読んで、コンクールにチャレンジしてくださいね。

ちなみに担当編集者のFさんは『ユッキーとともに』を選んでくれた方はみんな「ギューってしたい!」と言っておられました!
私も『ユッキーとともに』を選んでくださったみなさんに、応援エネルギーを送りたいと思います。
物語を楽しんで、物語の世界を絵にする楽しさを感じてくださいね。
 
 
posted by 草子 at 15:00| 展示・イベント

2015年06月23日

『もどれっ!ルイ』増刷決定

『もどれっ!ルイ』矢部美智代・作、陣崎草子・絵、国土社・刊
増刷されました。
国土社さんの詳細ページはこちら

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茶色の子犬ルイと少年の切ない物語。

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ルイのいろんなポーズのカットがたくさんのってます。
たくさんのこども達の手に届きますように。
どうぞよろしくお願いいたします。

 
posted by 草子 at 00:00| 本の仕事・著作

2015年06月17日

インタビューとパラレル宇宙

先般、とある季刊誌の方々がインタビュー取材にアトリエを訪問くださいました。
画像はそのとき撮影用の見せ絵として短時間で描いたもの。
無心に筆を動かしていても、なぜか身体的に心地よい地帯を探るという、人間の色彩感覚の不思議を思います。
こういう派手な画面の絵本もいつか描きたいと思っています。

インタビューしてくださった方々の命がピカピカと輝いて見えるという不思議な時間でもありました。
人ってそれぞれ美質が外部に顕れているみたいです。

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インタビューでも「素粒子が云々」「私たちはみんな粒子」などとまたもや観念的なことを述べてしまいましたが、ちょうど科学誌「ニュートン」の最近の号でも素粒子物理を元にしたパラレル宇宙の概念や、パラレル宇宙に存在する「あなたとまったく同じ素粒子配列の存在」について書かれています。つまり「あなた」とまったく同じ組成の人間が、別の宇宙に存在する可能性がある、と科学者が述べているのです。

雑誌「ムー」じゃなくて「ニュートン」でパラレルワールドが議論される時代になってきたのですね。この記事の内容が、自分自身の体感とも親和性があり、非常に興味深く読みました。

科学って慎重な分野である点が好ましいけれど、芸術家などの感覚鋭敏の者が天来のインスピレーションとして受け取る察知を、後追いしているという側面も、やはりあると思います。
科学者でも直感力に優れた人は、詩人と似たような性質を持っていると感じることも多いです。

多くの人々がまだ気づいていない、あるいは薄々感じているけれど明確にできていないものを「発見」する能力は、一見するとまったく関連性が無いように思える離れた存在や事象のつながりを見抜き、その関係性の芯を暴く力、解き明かす力と通じます。
詩歌の世界ではこの能力が非常に大きなウェイトを占めると思います。隠喩表現など、意味を正確にたどれなくとも、人々の腑に落ちたり衝撃を与えることがあるのはそのためではないでしょうか。
詩歌を読んでいると「うまく言えないが知っていた気がすることが書いてあり衝撃を受けた」という表現に出会うことがあります。これはその書かれていることが、「まだ全貌を解明はされていないが、この世界の誕生のときかそれ以前からある何らかの理」を、不完全であれ暴き、指摘しているために、受け手は衝撃を受けるのです。「おまえは知っていたはずだ」と鋭く指摘を受けるから、ハッとするわけですね。
私はときおりこのように考えます。
私たちは本当には「すでにすべて知っている」のかもしれないと。つまり「発見」とは、実は「思い出す」という行為であるのかもしれません。なぜなら詩歌は、「すでに知っていた気がすること」をこそ、新しく知らせてくれるように思うからです。

詩歌人は目に見えない「この世界の関係性の糸」をたぐる能力のある、超感覚の持ち主ともいえると私は感じています。重要な発見をする科学者もまた、平凡な日常風景の中から、まるで透視能力でもあるかのような直感で、科学的な発見の「カード」を引き抜いてくる、といった性質があるように感じています。
もちろん、毎日の地道な研究が重要であることは十分に理解しており、科学であれ芸術であれ、直感力と同等かそれ以上に修練や蓄積の力が大きいことは、体感としても心得ているつもりです。



 
posted by 草子 at 11:52| 作業風景

2015年05月30日

『ユッキーとともに』が増刷されました

最上一平さんとの本『ユッキーとともに』が増刷されました。
本の紹介はこちら
佼成出版さんのサイトはこちら

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最上一平さんの現実とファンタジーの交錯するしっとりと心に残る物語。
とても好きなお話で、絵も不思議な味わいの絵が描けたので、たくさん方に読んでいただけてとてもうれしいです。

最上一平さんとの本は、絵本『おかめひょっとこ』も、読んだ方から「ラストがとてもいい」「胸に迫った」とたくさんの感想を頂いております。
ぜひ、『ユッキーとともに』と『おかめひょっとこ』をどうぞよろしくお願いいたします。

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posted by 草子 at 00:00| 本の仕事・著作

2015年05月14日

新刊『わたしのタンポポ研究』保谷彰彦/著:挿絵担当

『わたしのタンポポ研究』保谷彰彦・著(さ・え・ら書房)が刊行されました。
挿絵を担当させていただきました。
http://saela.co.jp/isbn/ISBN978-4-378-03916-9.htm

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草花散歩会でもご一緒しているタンポポ研究者の保谷彰彦さんの待ちに待ったタンポポ本『わたしのタンポポ研究』がいよいよ刊行されました。
私は本文内の挿絵を担当させていただきました。

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昨年の「たんぽぽの幸い展」がきっかけとなって生まれた本書は、タンポポへの愛がぎゅ〜っと詰まった一冊となっています。
日本が世界有数のタンポポの国であること、そのタンポポの国日本にはどのような種類のタンポポが暮らしているのかといったベーシックな事から、不思議な繁殖方法を持っているタンポポたちの逞しい生存戦術についてのマニアックな話、そして、今、日本でタンポポたちの生態にどのような変化が起きているのか、といった研究の先端的な話など、まるまる一冊タンポポについて知ることのできる本です。

また、着目すべきは、目眩を感じるような、タンポポ研究者・保谷彰彦さんの地道なタンポポ調査や実験のレポートでしょうか。あるときは自転車で東京を、あるときは高山や離島や北海道に遠征して日本中のタンポポをアグレッシブに調査しに行く様子、調査の成果を持ち帰って研究室にこもり地道な実験にあけくれる様子には驚くやら感動するやらです。

今、日本でこれだけタンポポに詳しい方は片手におさまるほどでしょう。
ぜひ本書を手にとって、めくるめくタンポポ世界へおでかけください。
日本になじみ深い春ののどかなタンポポ野原の風景が、いっそう美しく幸いなものに見えることと思います。


 
posted by 草子 at 20:16| 本の仕事・著作

2015年05月11日

イベント報告:文学茶話会「子ども⇔大人のこんにちは児童文学」

4月26日(日)に、千葉県柏市の児童書と絵本の専門店ハックルベリーブックスさんにて、文学茶話会「子ども⇔大人のこんにちは児童文学」のイベントが開催され、パネルトークに参加してきました。

イベントの趣旨は、以下のようなものでした。

(1)まず前半に、とある4冊の児童文学、ヤングアダルト、青春文学からキーワードを引き、そのワードを元に参加者全員で物語を創作し、出来た作品を発表、物語をつくる楽しみを感じようというワークショップを行いました。

(2)そして後半では、参加者の中にテーマ書籍を書いた作家や、担当編集者が紛れていたことが明かされます。私も児童文学の作家として、覆面参加のような形でワークショップに加わりました。パネルトークでは他の作家や編集者、参加者のみなさんと児童文学についてさまざまと語り合い、意見交換する場を持ちました。
作家は坪田譲治賞作家の濱野京子さん、エンターテイメントなヤングアダルト作品で大活躍中のIさん、そして陣崎草子が、編集者は偕成社のSさん、講談社のKさんが前に出てお話しました。

◆今回、テーマ本としてあげられたのは、以下の四冊でした。


国家間の戦争による人々の痛みを、姿を消した「舞姫」と中立国にある戦災孤児を集めた学舎の少年少女の歩みを追うことで描く異世界ファンタジー。


一九六〇年代スペイン、戦争によって分断させられた人々の生活を背景に、一人の少年が人間や真実の裏と表を見つめ、葛藤し、成長してゆく姿を描く物語。


日本人の少年が主人公ながらシンガポールを舞台にした異色の戦争児童文学。ゴーストに接触することで多くの日本人が見過ごしてきた加害国としての歴史と出会う少年少女の物語。


友人たちと野犬捕獲阻止作戦を企図して奔走する中学生男子の物語。人間の社会に追われ、殺されようとする犬が、人間の少年に伝えることとは。


テーマ書籍はそれぞれに描き方は異なれど、戦争や、動物と人間の関係など、社会的な目線を持った物語であるという共通項から、「児童文学と社会性」というテーマを皮切りにトークが進行しました。
それぞれの作家や、本を世に送り出す編集者が、戦争や社会的な問題について書くとき、どういうスタンスを取っているか、また、どのような疑問や課題があるかといったことを聞くことができ、興味深い内容となりました。

メインテーマ以外には、以下のような話題も出ました。
・装丁の効果や、どのような装丁に惹かれて買うか。
・ヤングアダルトという名称をどう考えるか。
・児童文学の世界にはそもそも「大人の文学ではできない、新しくチャレンジングで実験的なことをしよう」という空気があった。
・絵本の作家と児童文学の作家の関係、遠さや近さについて。
・現役中高生のコミュニケーションの様態について。
・電子書籍について。
・こどもに本を読んでもらおうと思ったら、まず大人がもっと本を読めばよい。
・児童文学には大人も読まないと勿体ないような凄い作品がたくさんある。

ハックルベリーブックスさんのHPでも、レポートを掲載くださっています。
http://www.huckleberrybooks.jp/blog/archives/279.html

とても刺激的で充実した時間となりました。
ご参加くださったみなさま、ハックルベリーブックスさま、ありがとうございました。

 
posted by 草子 at 00:00| 展示・イベント

2015年04月24日

選書・B-bookstore〜元気が出る本屋〜

B-bookstore〜元気が出る本屋〜さんの「元気が出る本」に、選書とおすすめコメントを寄稿しました。
B-bookstoreは元書店員さんで現在はデザインのお仕事をなさっているヤタヨシヤスさんが企画運営されています。
さまざまなクリエイターに、「作品をクリエイトする中で刺激を受けたり、元気をもらった作品」をたずねるという内容です。
私は以下の二冊をおススメ本として挙げました。

『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』
ジル・ボルト・テイラー/著、竹内薫/訳 (新潮社)
http://bioodbord.blog103.fc2.com/blog-entry-1294.html

『独立国家のつくりかた』
坂口恭平/著 (講談社)
http://bioodbord.blog103.fc2.com/blog-entry-1295.html

おっ、と思うようなクリエイターの方が参加されていたり、絵本や児童文学もいろいろおススメ本にあがっていて面白いですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

私があげた上記二冊は、新しい世界の見方を教えてくれた、そんな本です。
世界観を変えてくれた本といえば、短歌ジャンルから選ぶなら穂村弘さんの歌集『ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi』か、歌書『短歌という爆弾―今すぐ歌人になりたいあなたのために』や『短歌の友人』といった本をあげると思います。
上記二冊とは異なる角度の「世界の扉」を開いてくれた衝撃の本。

絵本や児童文学のジャンルから選ぶとしたら何になるかな。
機会が与えられるようなら、いつか考えてみたいテーマです。
 
タグ:評論

2015年04月22日

千葉聡さん「ことばの冒険者たち」にて一首掲載

歌人、千葉聡さんの現代短歌ロードの連載「ことばの冒険者たち」にて
歌集『春戦争』より一首を引いてくださっています。
http://www.shintanka.com/256

千葉聡さんについては、エッセイ歌集『今日の放課後、短歌部へ!』刊行の折に、短歌誌「かばん」の12月号に評論「李徴は虎であることをやめる」を書きました。
また、このほど、現代歌人シリーズより千葉聡さんの歌集『海、悲歌、夏の雫など』が新しく刊行されています。
 
 
タグ:短歌 評論
posted by 草子 at 20:05| 短歌、詩

2015年04月21日

植物博士とゆく草花散歩と座学カフェ・5月

「植物博士とゆく草花散歩と座学カフェ」のイベントを開催します。
自然好きな方、親子づれ、お一人での参加、などなど大歓迎!
4月現在で、あと5〜10名はご参加いただけそうかな、という感じです。
ご応募、心よりお待ちしております。

草花散歩会、詳細・お申し込みはこちら

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2015年5月16日(土)11:00〜17:00頃迄(受付:10:40〜)
[開催場所] 長沼公園、および八王子セミナーハウス

自然豊かな八王子の長沼公園と八王子セミナーハウスで、草花を観察しながらお散歩する会をひらきます。ナビゲーターは植物博士の保谷彰彦、デザイナーの須佐岳彦、児童文学作家で歌人の陣崎草子がつとめ、ふだん見なれた草花をじっくり観察し、草花のくらしをさぐってゆきます。めくるめく不思議な自然の世界へ、いっしょにでかけませんか?

【開催詳細】
2015年5月16日(土)11:00〜17:00頃まで(受付:10:40〜)

[集合場所]
八王子セミナーハウス・ユニットハウスセミナー室A Map
[参加費]
大人(大学生以上)2500円、18才未満500円(※お支払いは当日。現金のみ。)

[概要]
・10:40〜 受付
・11:00〜 オリエンテーション、座学、解説
・12:00頃〜 昼食(お弁当:持参)
・13:00頃〜 1.5〜2hほど草花散歩。
・15:00頃〜 1.5hほど、お茶とお菓子を楽しみながら座学と発表会。

[昼食]
必ずお弁当等をご持参ください。(※セミナーハウスと公園周辺にはコンビニ等がございませんのでご注意ください。)
[服装など]
長沼公園には登山ロードに近い環境もあります。動きやすい服装と、すべりにくい靴でご参加下さい。
[持ち物]
お弁当、雨具、飲み物(近隣に自販機あり)、筆記用具、色鉛筆などの着色用具。
[参加人数]
20名まで(お申し込み順)
[その他]
※晴天の場合は長沼公園を中心に観察をし、雨天の場合は八王子セミナーハウス中心になります。また、雨の程度によっては、座学を中心としたプログラムになる可能性があります。

草花散歩会、詳細・お申し込みはこちら

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写真は先日、那須岳登山の帰り道に発見した在来種のタンポポです。
かなりの大輪でした。
種名はなにかな? 今度タンポポ博士に聞いてみたいと思います。
 
posted by 草子 at 18:37| 展示・イベント

2015年04月20日

「詩とファンタジー」に掌編ファンタジー「氷の中の人」寄稿

詩と絵と物語の雑誌「詩とファンタジー」の春翼号に、掌編ファンタジー「氷の中の人」を寄稿しました。
とある女性の氷像を作る女学生の話です。
http://kamashun.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=384653&csid=8

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畑典子さんが、とてもひんやりした雰囲気のある素敵な挿絵を描いてくださいました。
生まれてはじめて人様に挿絵をつけて頂き、感動です。
春翼号は「母」をテーマにした記念特集号になっており、宇野亜喜良さん表紙絵には、猛烈な母を持ち、歌の中で幾度も母を死なせた寺山修司さんのお顔が描かれています。

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私は今回、「そうだ自分も詩を投稿しよう!」と思っていたところに思いがけずショートストーリー執筆のお話をいただき、驚いたのですが、これからは詩の投稿の方もチャレンジしたいと思います。
「母の詩」のコーナーでは印象的な詩がいろいろありました。
内田麟太郎さんの詩にさすがにじわりとし、谷川俊太郎さんのエッジのきいた詩に胸をつかまれ……etc
よろしければ手にとって頂けますと幸いです。

また、「詩とファンタジー」では「ポエム31」の募集もはじまるそうです。
決まりは31音の一行詩。短歌の31音。短歌じゃない31音。興味深いです。
https://twitter.com/jinsakisoko/status/588841344505749504
応募規定についての詳細は、本誌をご確認くださいませ。
 
posted by 草子 at 18:09| 本の仕事・著作

2015年04月19日

歌集『春戦争』百首選、電子書籍刊行

陣崎草子の第一歌集『春戦争』の百首選版が
電子書籍にて刊行されました。



書肆侃侃房さんより刊行の陣崎草子第一歌集『春戦争』の
自選百首の電子書籍が刊行されました。

どうぞよろしくお願いいたします。
 
posted by 草子 at 00:00| 短歌、詩

2015年03月24日

一首掲載

短歌研究4月号「てのひらの歌」特集
山崎聡子さんが陣崎草子の短歌を一首引いてくださっています。
記事内では山崎聡子さんの新作三首と共に、太田ユリさん、大西民子さん、陣崎の短歌を引用してエッセイを書いてくださっています。
ぜひお読みいただけますと幸いです。

 
posted by 草子 at 03:45| 短歌、詩

2015年03月23日

谷川電話作品評寄稿・かばん新人特集号Vol.6

「かばん新人特集号vol.6」が発行されました。
私は谷川電話作品に評を寄せています。

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谷川電話さんは、2014年度の角川短歌賞の受賞者でもあります。評の中では受賞作の「うみべのキャンバス」についても少しだけ触れていますので、ぜひ谷川さんの受賞作の方も合わせて読んでみていただければと思います。
評の中では才能のある青年に対して、「私自身の生き方の問い」でしかないかのような愚直な疑問をぶつけています。このような事が可能であることも、あるいはちょっと乱暴な問いかけをしてみたいとつい考えるのも、谷川電話さんご自身の力量という土台があればこそと思います。
また、評の中で、私は氏の作品を相当に「私性」の側に引きつけて読んでいます。短歌の私性についてさまざまに議論もされている中で、どっぷり私性に浸かって読むというその姿勢自体が是か否かという問題もあると思いますが、私が読み解いてみたかったのは、角川短歌賞や新人特集号において谷川電話作品に描かれている「今という時代の若者と社会の関係」についてであったと思います。
作品内の主人公を「ある傾向の考え方を持つ人物」と捉えているという点では、ひょっとしたら私は、谷川作品をかなり小説的な読み方をしているともいえるのかもしれません。どうやら、谷川電話さんが描いた二本の作品(受賞作と新人号掲載作)の「主人公」の生き方考え方の反照が、私自身の生き方考え方を浮き彫りにし、再確認を迫るところがあるために、非常に気になるらしいのです。

常識が憎くてたまらない夜に切手に塗ったオレンジジュース

上記は谷川さんの角川短歌賞受賞作「うみべのキャンパス」からの一首。
常識を打ち破りたい、それに負けて社会に埋没したくないという青年の思いがよく表れた青春性を感じさせる歌です。水や唾液ではなくオレンジジュースを塗るという小さな非常識。その反抗に、希望と怨念を託しているのでしょう。オレンジジュースという爽やかながら甘く粘性のある液体と、切手の「何処かに何かを届けるためのもの」という機能が、未来の未知性や不穏を暗示するようです。そしてまた、オレンジジュースのごとき「甘ったるさ」こそが青春なのだと訴えてくるようでもあります。
私はこういった歌に見られる「ある傾向」を持った谷川作品の中の主人公に対して、「わかる、わかるよ」と頷きながらも、ついつい「でも」と考え、そしてこう思ってしまうのです。

「常識に埋没する必要なんて、そもそもいったい何処にあったのだろう?」と。

「常識」なんてものが目に入らないくらいに「抜けていく魂」が、私は決定的に好きです。そういう魂の姿、そうやって生きた表現者たちに対する強い信仰と憧れを、私は持っています。
だからこそ、常識を突き抜ける魂への憧れをにじませる谷川作品の主人公の思いは、ひりひりと迫るほど分かります。でも同時に「なぜ自らの人生の全部を使って“本当に抜けよう”としないのか」という疑問に、自分自身が全身をつらぬかれてしまうのです。

「“抜けていく人々”への信仰と憧れ自体が、自分自身なのだ」
という事を、改めて強烈に感じさせられた。そういうじりじりした青春の焦燥を突きつけてくれたという点において、谷川電話作品は「青春時代」を送る多くの人に読んで欲しい作品だなと思います。今という世代と、今という年齢特有の「揺れ」と「怒り」と「ダメさ」「諦められない思い」がよく描かれているからこそ、私はこれだけ物思いさせられたに違いありません。
人生の分水嶺ってさまざまなポイントにありますから。
そこで「お前はどちらを選ぶのか」を問いかけてくれる作品であると思います。

「本当に抜けるために生きる」という選択は、実はいつでも誰にでも取れるはずで、この世界には未知の可能性が無数に存在しています。
「可能性」を「常識」で覆い、可視の領域から遠ざけさせているのはいったい何者なのか?
それは「社会」なのか?
それとも「そのように考える私やあなた自身」なのか?
社会が共同の幻想として共有を求めてくる「常識」の皮膜をめくり、正体を暴こうとし、そのように念じて未知のものを摑みだし具現化させることが「表現」の本領であるし、可能性そのものであると信じています。
その信仰や憧れを私は捨てることができないし、そのように生きたいという夢を見続けています。
 
最後に、画家、パウル・クレーの言葉を記したいと思います。
クレーは「表現」を通して未知の可能性を探るという「実験」に自らの人生の時間を使い続けた人であり、またその行為について、直感と霊性の冴えた理論を残した人でもあります。

この世の中で、私は十分には理解されることはない。
なぜなら、私は死者か、あるいはまだ生まれ来ぬ胎児とともにいるからだ。
世間の人よりは創造の根源の近くにいるが、まだまだ満足できるほどではない。


----パウル・クレーの日記より、墓石に刻まれた言葉----


 かばん新人特集号Vol.6詳細
タグ:短歌 評論
posted by 草子 at 02:56| 短歌、詩

2015年03月04日

絵本工房〜オリジナル絵本を作ろう!

東京品川区のゆたか児童センターさんで、
絵本を作るワークショップイベントがあります。
詳細PDF
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/kids/kf/kf02/jyutaka_g.pdf
会場
http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/kids/kc/kc02/kc0225.html

第1回目 2月21日(土) お話から絵を描こう! (作コース家最終日)
第2回目 3月 7日(土) 絵本を構成してみよう!
第3回目 3月25日(水) 絵本を完成させよう!

定員: 10名程度(先着)
対象: 小学校4年生以上
時間: すべて2:30〜4:30
お問い合わせ:03-3786-0633(ゆたか児童センター)

メイン講師は児童文学作家の田部智子さん!
楽しいお話をたくさん書かれているプロの作家さんといっしょにお話作りができる貴重な体験です。
(いいな〜小学生の頃にこんな機会に恵まれたかったなあ)
イラストレーターの平澤朋子さんもご参加。
私も絵の担当としてお手伝いします。
いっしょにわいわい物語をつくりましょう。

初回にお話をつくって、すでにかなり盛りあがっているようです。
小学生や中学生、保護者の方も来てくださってるみたい。
ご興味おありの方は会場に問い合わせてみてくださいね。
 
posted by 草子 at 11:18| 展示・イベント

2015年02月14日

「Æsop100人の寓話」展

「Æsop100人の寓話」展に出品します。
2015年2月16日(月)〜2月28日(土)
11:00~19:00 土曜日は17:00まで 日曜休み
東京・表参道・ピンポイントギャラリー
http://www.pinpointgallery.com/cn2/cn299/top.html

毎年恒例の100人の作家による展覧会です。
大ベテランから新進気鋭の方までずらりと絵が並ぶ様子は毎年壮観です。
初日は早朝から作品購入のために並ぶ方もいらっしゃいます。

私は「オオカミ少年」をテーマに絵を描きました。

isop.jpg

タイトル:嘘のつき方をおしえて

狼と少年の間には物語には描かれていない事前の密通もあったのではないか。
その密通のはてに少年は狼に喰われてしまったのかもしれない。
物語を逸脱して空想を広げて描きました。

ぜひご高覧いただけますと幸いです。
 
posted by 草子 at 09:50| 展示・イベント